タイトル:VIP 4 瑕 著者:高岡ミズミ イラスト:佐々成美 発行:講談社 レーベル:ホワイトハート 発売日:2008/5/2 価格:578円(税込) |
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〜ひとりごと〜
クラブ・マネージャー×ヤクザ・組長
| 高級会員制クラブ『BM』のマネージャー柚木和孝(ゆぎ かずたか)と不動清和会直系木島組の組長で、清和会の若頭補佐も勤める久遠彰允(くどう あきまさ)が、七年のブランクを経て付き合い始めて半年。 ふたりの時間を過ごし、和孝が帰ろうとしたところを、久遠が引き止めるようにして抱いてきた。 そうした普段の久遠とは異なる言動に、不安に駆られる和孝だった。 そんな時、和孝の同居人・聡の母親が、興信所を使ってまで彼を探し出したのだ。 和孝にとって聡は、久遠とは違う意味で大切な存在。 心も体も傷ついた聡が、立ち直るのにかかった8ヶ月をも台無しにするような興信所の、母親のやり方に憤り、彼を守ろうとする和孝。 だが、久遠にも、新しく『BM』に来たドアマン津守義之からも、決めるのは聡だと諭され…… |
前作『
久遠もあまり出てきませんでしたし、相変わらず不動清和会三代目の息子・田丸は、和孝に絡んでくるというか、意味深なこと言ってますし、新キャラ・津守も謎多き人物なので、この『
和孝が、シャワーも浴び帰ろうとした時に、久遠が「二、三日留守にする」広島に行くと言ってきたんですね。
一瞬、何をしに行くのかを訊こうとした和孝だったんですけど、訊けば気を揉むことが手に取るようにわかったので、止めたんです。
で、その代わりじゃないですけど、「広島か。そういえば中学のときに修学旅行で行ったな」なんて、何気に言ったんです。
そんな和孝の何が久遠を動かしたのかわかりませんが、いつもはことが終われば用なしとでも言うかのように、ベットから出ることも少なくない彼が、再び押し倒してきたんですよ。
なので、和孝は不安になっちゃうんですよね。
そんな和孝に、なんと久遠、眦のきつい双眸をやわらげ口付けたんですよ!!
何だか、久遠柔らかくなってましたよ。
他にも、そう思わせられるシーンがあって、ムフムフしましたけど、ちょっと驚きもしました(苦笑)
そんな久遠のことで不安を抱えている和孝の元に、1本の電話がありました。
それは、篠原興信所の顧問弁護士・遠藤という人物からで、和孝が同居している聡の母親の依頼で、彼を探していたというものでした。
ただでさえ、聡のことだから過敏になっているのに、遠藤の態度があまりにも不遜な態度なんで、和孝はむっとさせられちゃうんです。
なので、「家を出なければならなくなった経緯も。当然あなたは調査済みですよね」と冷たく返すんですが、「あのですね。あなたにはなんの権限もないし、むしろ、状況はよくありませんよ。家出少年と知っていながら、保護者への連絡義務を怠り、一緒に住んでいるなんて――」って、聡が未成年なことを前面に押し出してきて、和孝を脅迫してくるんですよ。
8ヶ月前保護した時、聡の状況は和孝が、声をかけたのを後悔するほど悲惨なものだったんですよ。
というのも、聡は母親から虐待を受けてたんです。
母親というのが、男に頼らないと生きていけないような人で、とっかえひっかえ家に引っ張り込んでたんですね。
で、聡にも自身の弱さをぶつけるように、手をあげてたんです。
聡が、最終的に家を出るきっかけになったのは、その時の母親の恋人にバスタブにつけられ、殺されそうになったからで、そんな状況にも関わらず、母親も止めようとしなかったからでした。
そんな経緯があるので、母親が探しているからと言って、ほいほい聡を渡すことなんてできませんよね。
そうすれば、どうなるかは想像に難くないですからね。
なので、「そちらの状況に問題がないという判断で強攻策にでられるというのならば仕方ありません。どうぞお好きになさってください」というんです。
遠藤の方は、ちょっと脅せば聡を返すだろうと、きっと思ってたんですよね。
けど、和孝は『BM』で、海千山千の人たちを相手に仕事してますからね。
このくらいの脅しなんて、屁でもないんですよ(←下品でゴメンナサイ)
だから、遠藤の方は、戸惑いを隠せませんでした。
けど、決めるのは聡じゃないですか?
だから、聡の意向を訊かないわけにはいきませんよね。
で、大まかに相手が何のために電話をしてきたのか、そして、脅してきてもこちらに疚しいことはないから心配ない、電話に出るか出ないかは好きに決めればいいって、説明するんです。
説明された聡は、微かに声も手も震えさせながらも、電話に出たんです。
和孝には、その振るえは恐れからではないことはわかりました。
それは、相手が誰であろうと屈しない意思の強さが、瞳に表れていたからです。
でも、電話に出た聡は、「心配してる?」「どうせ男に捨てられたんでしょう。僕には関係ない。付き合いきれないって伝えてください!」と、刺々しい声音を上げ、相手に言い訳を許さないかのように電話を叩きつけて切ったんです。
そんな自身の態度を和孝に詫び、「おれ、和孝といて、昔のことなんて忘れてた」って、家を出る経緯を語ったんです。
そして、「和孝と出会えて幸運だね」「和孝がいるから、おれはもう大丈夫。過去なんて、ただの記憶でしかない」って、過去との決別を告げ、「おれは和孝と暮らしてわかったんだよ。好きな気持ちは相手に伝わるってこと。大事にしてもらったひとに同じだけ返したいって思うのは、自然なことなんだね」と、一緒に暮らして初めて気づいた大事なことを伝えるんです。
和孝としても、「俺はおまえの存在に救われた。誰かを思いやったり愛しんだりする気持ちを、俺はそれまで知らなかった。おまえのことを、俺はすごく大事に思っている」って、思いは聡と同じだったんですよね。
で、聡と暮らした8ヶ月を思うんです。
最初は、何もかもに怯えて、冷蔵庫すら開けられなかったんですよね。
殺されそうになった場所、お風呂はそれも顕著で、最近まで一緒に入ってたくらいですから。
だからこそ、ここまで立ち直った聡を、傷つけたくないと思いました。
でもね、和孝が仕事に行っている間に、母親から直接電話が掛かってきたんです。
しかも、聡の話は全然聞かずに、ヒステリックに会いたい、会いたいって繰り返してたんですって。
聡の話を聞いて、和孝も一瞬動揺してしまうんですよね。
でも、自分が動揺してどうするって、厭なら会わなくていいし、出るとこに出ろっていうなら、いつでも用意はできてるって聡を安心させるんです。
けど、それじゃあ、逃げることになるからって、聡は母と会うことを決意するんですよね。
で、和孝は励ます意味もあると思うんですけど、以前聡が自身の傍にいる理由をくれないって言ったことに対する答えを返したんです。
「俺はおまえが大切だから、っていう理由じゃ駄目か?大事なひとが傍にいるだけで、人生は変わるもんだって、おまえが教えてくれた」って。
そして、何を考えてるのか、どんな生活をしているのか知ってもらうには、母親にここに来てもらうのが1番いいんじゃないかって、和孝の提案で、家に来てもらうことにしたんです。
仕事場『BM』では、新人ドアマン・津守の面倒を和孝がみることになったんです。
彼の口数は少ないものの、律儀とも言える生真面目な性格に好感を持ちましたし、愛想はなくとも、それを補って余りあるほどの誠実さを感じる津守に興味を惹かれたんです。
だからね、聡の母親が来る日、ふたりとも眠れなくて、気晴らしにドライブに出て、食事をするのにファミレスに入ったんですけど、そのとき、窓の外に津守の車が停まっているのが見えて声を掛けたんですが、偶然だという彼の言葉をあっさり信じたんですよね。
津守はね、オーナーの宮原から、和孝を見て仕事を覚えろと言われたらしいんです。
なので、和孝が店を出るのが遅れても、必ず待っていて車に乗るまで見届けるんです。
それも、宮原の指示らしいんですけどね。
そこが、和孝には誠実だと感じられたんですよ。
でもね、宮原の仕事が終わって車に乗るまで和孝を見るって指示もおかしいし、家がご近所なのか知りませんが、和孝が家に帰ってからファミレスに行くまで、少なく見積もっても1時間はあったと思うんですよ。
なのに、そんな時間にうろついてるのもおかしいですよね。
宮原とは家族ぐるみの付き合いをしてるらしいんですけど、彼の正体は、まだわからないんです。
そして、面識はなさそうなのですが、どうやら久遠も津守も互いのことを知ってるみたいなんですよね〜。
何者なのか、目的は何なのか、かなり気になります!!
それから、前作『
先生もぬるいのはそのままだと思いますが、一応やくざものと銘打ってるからには今後そういうテイストになっていく予定と仰っているので、まだ田丸ともひと悶着がありそうな気配を感じました。
久遠のいつもと違う言動は?
聡は、母親とのことをどうするのか?
そして、聡の決断に和孝は?
聡のこと以外は、次に持ち越しです。
前作でやっとヤクザものっぽくなってきたと思ったので、拍子抜けしたってのが、1番の感想です。
意味深な言動をするわりには、久遠はあんまし出てこないですしね(笑)
けど、久遠のかわいい一面も見れましたし、聡のお話は切なかったので、これはこれで『VIP』らしいのかな〜とも思いました。
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