2007年10月13日

【雪花の契り】
 秋山みち花 ill:北畠あけ乃


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タイトル:雪花の契り
著者:秋山みち花
イラスト:北畠あけ乃
発行:笠倉出版社
レーベル:CROSS NOVELS
発売日:2007/8/11
価格:900円(税込)

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〜ひとりごと〜
 伯爵家・嫡男×元伯爵家・嫡男
 大正時代 すれ違い 没落華族

 かつて、花房伯爵家嫡男・薫と桂木伯爵家嫡男・堯弘(たかひろ)は、同級で親友だった。
 だが、花房伯爵家も桂木伯爵家も共に貿易会社を経営しており、家同士は仕事上ではライバル関係にあり、ふたりが中等学科5年の時、桂木伯爵家が事業に失敗し倒産。
 そしてそうなってしまったのが、花房伯爵家の当主だという噂がたつ。
 実際、手を下したのは花房伯爵家ではなかったものの、結果的にはそうとられてもしょうがない状況にあった。
 薫は、何とか、桂木の家に援助してもらえるよう、父に頼み込むが、彼の家は大名家の末裔、花房家が、そうすることで、屈辱を感じるのは必須だと諭され、せめてと桂木の夢のために、海外留学の援助をしてくれるよう頼む。
 そうして、桂木は名も知らぬ人からの援助で留学し、8年が経った。
 ある貿易会社のパーティに招かれた薫は、会いたくて、会いたくて堪らなかった桂木と再会する。
 だが、喜びに震える薫とは、逆に「長く時間がかかったが、帰ってきた。花房伯爵家……そして薫、おまえに復讐するためにな」という、残酷な言葉を浴びせられる。
 更に桂木は、薫に屈辱を与えるためにだけに口づけをしてきたのだ。
 この口づけの意味を理解しながらも、夢中になってしまった薫は、この時になって、初めて桂木に対する思いが恋情だったことに気付くも、既に遅く、桂木に自身は恨まれてしまっていたのだ。
 そうして薫は、桂木への恋情を殺し、復讐をするという彼と闘うことを決意する。
 だが、薫は、どんどん追い詰められていき・・・


 久しぶりの華族ものです!!
 そして、秋山みち花先生、初挑戦です。
 内容は、“あらすじ”とは、ちょっと違っていたように思います。
 そして、私が受けた印象は、ザ・昼メロでした(笑)


 家同士は、ライバル関係にあっても、本人たちは親友だったんですね。
 始まりは、薫姫と呼ばれるほどの美貌を持つ薫が、同級生だけでなく、上級生や下級生にも人気があり、中等学科に上がって間もなくの頃、2年上級生の植村誠一に言い寄られ、怖くて泣いてしまったのを、助けたのが桂木だったことです。
 それ以来、常に薫は、彼に守られてきたんですよ。
 そんな桂木の方も精悍で整った容姿をしていたので、かなり人気がありました。

 でね、薫と桂木は、撞球(ビリヤード)で、七番勝負をしてたんですよ。
 そして、その勝敗が3対3になった時、桂木はこの七番勝負に勝ったら、「言いたいことがある」と言うんです。
 薫は、話があるなら、勝負に拘らなくても言えばいい、と言うんですね。
 けど、あくまでも「七番勝負に勝ったら」と、勝負に拘るんです。
 結局、この後すぐ、桂木伯爵家が破産してしまったため、七番勝負の続きも彼の話を聞くこともできなくなってしまいました
 けどけど、だいたいの想像は、つきますよね。
 でもって、その話が何か聞けなかったってのが、またせつないし、この後の展開を考えると、今度はにまにまでした(←オイオイ)

 この桂木伯爵家が破産してしまった時、薫は何とか桂木の家を援助してもらえるように、父に頼むんです。
 でも、薫の家は公家の末裔なので、家を残すのが大事、けれど、桂木の家は大名の末裔ですから、他人から情けを掛けられるくらいなら、潔く腹を切るような家、なので、ライバル関係にあった花房家から援助を受けるのは屈辱以外の何ものでもないと諭されるんです。
 この父の言葉に、薫は納得するものの、世界を見てまわりたい、そのためにはまず学業だという桂木の夢を、何とか叶えさせてあげたいと思うんです。
 けど、家が大変な時に自身だけ学業するのを良しとしないだろうという父の言葉に、名前を明かさない人物からの援助ということで、留学をふたりが通っていた学習院の教授から薦めてもらうことにしたんです。
 でもね、また、また父から援助をするのなら、そのことを秘密にしておくため、彼に負担をかけないためにも、もう桂木には会わない方がいいと言われるんです。
 なので、彼が会いにきてくれた時、友人を訪ねるには非常識な時間だし、2度と会いたくないと、家令に伝えさせたんです。
 当然、桂木は、桂木伯爵家が破産したことで、薫の態度が変わったのだと思ってしまい、そしてそのまま留学してしまうんです。
 ふたりのことを思うと、この親父なんて余計なことを・・・と思ったんですよね。
 でも、このことで更に話が盛り上がるのは、必然。
 なので、またまたにまにまでした〜(←いい加減にしろ!!)

 そして、それから8年後、桂木が帰国します。
 でもね、この帰国は花房伯爵家と薫に復讐するためのものだったんです。
 それを薫に告げるために、自身の名を隠した上で、わざわざ夜会を開き、薫を招待するんです。
 その上、学習院中等学科時代、薫に言い寄っていた植村が海軍に入ったことで、仕事の関係上、親しくしていただけなのに、仕事のために体を売っていると桂木に勘違いされ、侮辱された挙句、口づけられたんです。
 桂木の言葉に傷つけられた薫は、この口づけが自身に屈辱を与えるためのものだと理解します。
 けれど、哀しいことに、屈辱を与えられるためにされた口づけでも、薫は夢中になってしまい、桂木への思いが恋情であったことに気付いてしまうんです。
 そして、ふたりの関係が、こうなってしまった以上、伝えることの出来ない思いだと、薫は苦しむんです。

 は〜い、またまた良い具合に邪魔(?)が入り、誤解が生じ、ふたりの心のすれ違いは大きくなってしまいます。
 この誤解やすれ違いはどこまで行くんだ・・・ですよね。
 いっそ、ここまで来るととことんまで行かないと解決は不可能に思えてきますよね〜(←鬼!!)

 この時から、ふたりの関係は、敵対するものにハッキリ位置づけされ、桂木からの復讐が始ります。
 そして薫は、桂木からの商売を度返ししたやり方に、彼の憎しみの深さを知ることになります。
 また、間の悪いことに父が体調を崩して、薫が社長代理を勤めていただけに、桂木との争いに正面から立ち向かわねばならないんですよね。
 どんどん、追い詰められていった薫は、この窮状を打開するために、ある決意をするんです。
 でも、その前にと思いつめる薫は、目頭が痛くなるくらい切なかったです。


 王道のお話でしたが、やっぱり王道には王道の良さや切なさがあり、妙に興奮してしまいました。
 やっぱり、この時代特有の華族の誇りやなんかはいいですね〜。
 久しぶりに、華族のお話を読んで改めて、そう思いました。


 中等学科時代、桂木が薫に話そうとしていたことは?
 桂木に追い詰められた薫の決意とは?
 そして、桂木の薫への誤解は解けるのか?



〜ツボな脇キャラ〜
 植村誠一・誠二兄弟

 植村家は、平民ながらも事業で成功し、かなり裕福なんですね。
 けど、兄弟の間には確執があるんです。
 それは、兄が妾腹弟が本妻の子だからなんです。
 でね、中等学科時代から、誠一は薫に思いを寄せていて、彼に振られたから海軍に入ったという噂すらあるほどなんです。
 そういう経緯から、誠二は薫に随分辛くあたるんです。
 一見、この誠二の薫への態度は、彼が桂木に思いを寄せているからのように見えるんですが、実は、兄に思いを寄せてるからなんじゃないかと睨んでるんですよね〜(笑)
 兄が、海軍に入ったのは薫のせいから始まり、海軍に入ってからも誠一の気持ちが変わらないのに嫉妬して、桂木の復讐に乗っかってるように見えたんですよね〜。
 それに、ある場面では、徹底的に邪魔してましたし・・・。
 この後、誠一は、海上勤務になって、なかなか帝都に戻って来れなくなると言ってますが、これも誠二の差し金じゃないかと思ってるんですよ。
 ほんとは誠二、兄とふたりで、会社を経営したかったんじゃないかなって、けど、海軍に入ってしまうし、薫への恋情は消えないし・・・で、すっかり拗ねてしまい、会社もロクに手伝わず、遊んでばかりいたのかな?って、結論に至りました。
 ちょっと、深読みしすぎでしょうか?
 けど、脇役好きの私を、この誠二がツンツンしてくれるものだから、気になってしょうがなかったんですよね〜(苦笑)
 なので、ついつい熱くなっちゃいました。

 この作品は、元々“i novels”から出版されるはずのものが、例の倒産の件で“CROSS NOVELS”から出版という経緯がありましたから、この兄弟のお話が出るのは期待薄ではありますが、このお話を読む際、その辺にも注目して頂けると楽しいんじゃないかな〜と思います。



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