2006年12月22日

夜の帳、儚き柔肌


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タイトル:夜の帳、儚き柔肌
      (遊郭シリーズ 3)

著者:鈴木あみ
イラスト:樹 要
発行:白泉社
レーベル:花丸文庫
発売日:2005/11/18
価格:620円(税込)

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〜STORY〜
捨て子だった忍は、男の遊廓・花降楼の楼主に拾われ、色子として働くようになるが、おとなしい顔立ちと性格のため、客がつかず、いつも肩身の狭い思いをしていた。そんなある日、名家の御曹司で花街の憧れの的・蘇武貴晃とふとしたことから知り合い、一夜をともにしてしまう。二度と逢うこともないと諦める忍だが、彼はその後も忍の許へ通うようになった。贅沢な贈り物をされ、濃密な愛撫に溶かされるうち、次第に彼に惹かれていくが…!?綺蝶&蜻蛉の番外編を収めた花降楼シリーズ第三弾。

〜ひとりごと〜

 =夜の帳、儚き柔肌=
 娼妓×御曹司

 3歳の頃、吉原に捨てられた忍は、『花降楼』の妓楼主に拾われる。
 周りにはものにならないと反対されたが、「人の好みは色々だから」と拾ってくれた楼主に感謝し、忍も頑張ろうと思うのだが、引っ込み思案が災いし、水揚されてから1年たつが、お茶挽きをしていることが多かった。
 傾城の綺蝶に励まされたこともあり、張り見世でいつもは隅っこにいる忍だが、勇気を出して前に出てみた。
 そして、通りかかった人に笑いかけてみたが、素通りされる。
 それを見ていた同朋の椿に「蘇武(そうぶ)グループの御曹司で特定の馴染みを持たないことで、吉原の売れっ妓たちが血道をあげている人。いくらなんでもあれは高望み」だと諭されてしまう。
 その夜更け、部屋へ戻ろうとした忍は、咳き込み苦しくて庭へ下りる石段に座り込んでしまった。
 そこへ「大丈夫か?」と声をかけてきたのが、蘇部だった。
 そういう彼こそ怪我をしていたのだが、持っていた風薬を分けてくれ優しくしてくれた。
 引っ込み思案で、お茶挽きばかりしている忍に、そんな優しくしてくれた人は始めてで別れがたくなった忍は、手当てを理由に『花降楼』の客ではないだろう蘇部を自分の部屋に上げてしまった。
 手当てをしたり、おしゃべりしたりで楽しいひと時を過ごしたのだが、ふいに蘇部が忍に触れてきた。
 綺麗な蘇部から、あまり言われたことのない労わりの言葉や「かわいい」と言ってくれるのに、客でもない人と体を合わせることに厳しい遊郭の戒律を破ってまで関係を持ちたい望んでしまった忍。
 数日後、正式な手順を踏んで自分の馴染みになってくれた蘇部に嬉しさを抑えられず、やがてその気持ちは恋へと変化していくのだが・・・。

 =愛で痴れる蜜の劣情=
  (めでしれる)
  ある頼みごとを蜻蛉にした綺蝶。
  その条件として、「何でも言うことを聞く」と約束したのだった。
  その答えを聞きに蜻蛉の部屋に来た綺蝶だったが・・・。


 遊郭シリーズ 第三弾です。
 そして=夜の帳、儚き柔肌=に、番外編=愛で痴れる蜜の劣情=の二部構成です。

 はぁ〜、久しぶりに涙涙でした〜。
 エピローグから、うるうるです。
 忍はけなげと言うか意地らしいと言うか、ぎゅうぎゅう抱きしめてあげたくなりました。
 自分の性格にも容姿にもコンプレックスを抱いているので、張り見世でも後ろの方にいてお客を誘うこともできないし、ひとりだちしたら晩御飯は、自分を呼んでくれたお客さんに食べさせてもらうというのが、常識なのに自分みたいな地味な色子を買ってくれたお客さんにこれ以上お金を使わせることなんて出来ないと言えなくて、いっつもお腹を空かせてるんです。
 そんなだから、同輩にも意地悪されて、でも綺麗だったら我が儘なのも仕方ないと許し、綺麗な同輩に憧れてまでいるんです。
 そんな忍なので、私のように『意地らしいわ〜』とグリグリなで回したくなる方と、『いじましい』とうっとうしく感じられる方の二つに分かれるんじゃないかなと思います。
 でもね、朝ごはんは、ごはんとお味噌汁しか出ないんですね。おかずが欲しい人は、花代の何割かが貰えるのでそのお金で買うシステムらしいんです。でもお茶挽き(一晩中客がつかないこと)ばかりで手元にあまり持っていない忍は我慢してるんですよ。で、「もしお客さんがついたら、明日はお魚買おう」とか「今日食べられなかったから、昆布のお漬物も」(大好物の昆布のお漬物を同輩に盗み食いされちゃったんです)「(昆布のお漬物までは)ちょっと贅沢かな」とか、張り見世でかわいいこと考えてるんですよ。切実なんでしょうけど、もう、かわいくてかわいくて、たまらなかったです〜。(笑)
 綺蝶も気に掛けてるんだったら、たまには何かあげてよ。と思わぬやつあたりをしたくなる程でした。(苦笑)
 意地悪しちゃう子もほんとは忍に「がんばれ!!」って言いたいんだけど、ついつい見ていられなくてキツイこと言っちゃうんでしょうね。
 そんなことをされても忍は、「でも、がんばろう」って口癖のように言ってほんとに頑張っているんです。
 こんな忍なので肩入れしすぎちゃって、もう涙ポロポロでした。
 ああ、ごめんなさい。つい力が入っちゃって、お話が大筋からどんどん離れていっちゃってますね。
 ではでは、お相手の蘇武貴晃(そうぶ たかあき)さんのことに。
 彼は名門の出なのですが、肉親の愛情に恵まれなかったため人に深入りできないでいるんです。
 ほんとは、寂しくてしょうがないにも関わらずにです。
 だから、誰にでも優しく(いい顔ともいう)するんですけど、結局それが、馴染みを作らないということにも繋がっているんです。そんな蘇部が忍の優しさに癒されるんですが、誤解から忍にもを作ってしまうんです。
 忍は、蘇部の壁を感じ取っていて、すぐに自分に飽きて来なくなる、だから今だけは、という思いから、蘇武は忍に癒されながらも人に深入りできない自分と忍の色子の仕事から信じることができないんです。
 そしてあるものをつかみ掛けた忍には、悲しい出来事が待ち構えているんです。

 私が読みながらずっと思っていたことを、『愛で痴れる蜜の劣情』の中で綺蝶が代弁してくれています。忍をかわいいと思った方は、「なんか……もうちょっとあいつの人生にも、いいことあってもいいんじゃないかと思えてさ」と皆さん思われていたんじゃないでしょうか。
 私は、大きく頷きながら読んでました。
 好き嫌いの真っ二つに分かれる作品だと思いますが、忍に好感を持たれました方は、読んで損のない作品だと思います。
 シリーズものではありますが、主人公がそれぞれ違いますので、この作品だけでも大丈夫です。

 蘇部の壁が取り払われる時は来るのか?
 2人を待ち構えている悲しい出来事とは?
 皆が心配する忍は、幸せになれるのか?


〜ツボな脇キャラ〜
 椿

 忍と同期の色子で、忍とは、対照的に華やかな容姿を持ち、売れっ子なんですが『うわ〜、そこまで言うか』と言う位、辛辣な言葉を吐きまくりです。
 けど、それは心配なのと、容姿だって悪くないのに大人し過ぎる忍にイラだってついつい滑り落ちてしまう言葉なんだと思うんです。
 因みに忍の大好物の昆布のお漬物を食べたのはこの人です。(笑)
 一応、彼なりにフォローしたつもりなんですが、何事にも控えめな忍には気付いてもらえず、きっと心の中では後悔してたんじゃないかな〜と思っています。(苦笑)



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posted by 零 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 鈴木あみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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