2008年11月15日

【背徳のコンシェルジュ】
 妃川 螢 ill:朝南かつみ


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タイトル:背徳のコンシェルジュ
著者:妃川 螢
イラスト:朝南かつみ
発行:オークラ出版
レーベル:プリズム文庫
発売日:2008/5/23
価格:580円(税込)

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〜ひとりごと〜


 外資系ラグジュアリーホテルに、コンシェルジュとして転職して1年弱。
 穂高 啓(ひろむ)は、『黄金の鍵』(レ・クレドール)を目指し、頑張っていた。
 そんなある日、啓はオーナーの友人で、元オーストリア貴族の超VIP、マクシミリアン・アントゥール・ヴィザーから、バトラーになるよう、そして『マックス』と呼ぶよう命じられる。
 困った啓だったが、オーナーからの言葉もあり、できうる限り力になるということで落ち着いた。
 だが、酔客から大金を積まれ、誘いを受けているところをマクシミリアンに見られ、彼から酷い侮蔑の言葉を浴びせられたのだ。
 自身の心の弱さをマクシミリアンから指摘され、初めて暗い部分に気づかされた啓は、言い訳の言葉すら出てこないほど、ショックを受けた。
 しかし、沈黙は、更にマクシミリアンに誤解を与えることとなり、「私が買ってやろうか?」と、抱き寄せられ……



 けなげな受と、超オレ様攻ですよ〜。

 これだから、お坊ちゃまは〜っていうものっ凄いオレ様っぷりでした(笑)
 けど、私はそういう攻、好きなんです。
 おかしくって(←えぇっ)
 いや、だって、口調では偉そうに命令しているのに、ほんとは好きでしょうがないってのが透けて見えてるんですもの。
 特に、マクシミリアンはその辺が顕著で、かわいかったんです (苦笑)

 最後まで、オレ様道を貫いてくれた攻と、両親を亡くし、ひと回り年下の弟を育ててきたため、甘えることも、自分を優先することも許されなくなってしまった受のお話でした。



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 母を、弟・歩(あゆむ)が生まれてすぐ、そして、父を高校3年生の時に亡くしてしたんです。
 なので啓は、合格していた大学も辞退し、シティホテルに就職しました。
 そのシティホテルで、働きぶりを認められたのはいいのですが、経営の方へという話が出たんですよ。
 父親がコンシェルジュだったことや、父の友人で何かと自分たち兄弟を気に掛けてくれていた川畑が、日本に10数人しかいない、一流と認められたものだけに与えられる『黄金の鍵』(レ・クレドール)ということで、その影響もあったんでしょうね。
 だから、川畑からの誘いで、新しく出来た外資系ラグジュアリーホテル『マイスリンガー・ホテル・トウキョウ』に、転職しました。
 それに、お給料もこちらの方が良かったですしね。

 そうして1年半、コンシェルジュになって1年弱のある日、オーナーのユージン・マイスリンガーの友人で、貴族制度が廃止になったことで、爵位はなくなっちゃいましたが、オーストリアの元貴族・マクシミリアンから、専任のバトラーになれって言われたんです。
 どうやら、前任者が気に入らなかったようなんですが、啓はコンシェルジュでしょう?
 いくら、絶対に『できません』と言わないコンシェルジュとはいえ、バトラーとは仕事内容も部署も違いますからね。
 困ってしまいましたよ。

 その上、

 「私は貴様がいい。――不服か?」

 ですもの。
 確かにね、
 「貴様がいい」
 なんて、本国では執事を筆頭に数多くの召使いに傅かれることに慣れた彼に、殺し文句のようなことを言われたら、啓だってコンシェルジュの血が騒ぎましたよ。

 だからといって啓の一存で決められることではないので、『上司に相談して〜』と言おうとしたんですよ。
 そしたら、その言葉を遮って、マクシミリアンが下の名前を訊いてきたんです。
 でね、
 「ヒロム……か」
 と、確認するように呟いたマクシミリアンの低音の響きに、ドキリとさせられた啓でしたが、またもや、
 「私のことはマックスでいい。貴様にだけは許そう」
 って、言葉に困ってしまいましたよ。

 啓が気に入られたからこそのことなんでしょうけど、客と従業員って立場がある以上、はい、そうですかって呼べるわけではありませんものね。

 本人は満足して、
 「穂高、紅茶を淹れてくれ」
 と、もう次のことにいってますけどね〜 (苦笑)


 上司でもある川畑とオーナーとの話し合いの結果、バトラーに、という話は断ることになったんですけど、マクシミリアンの秘書の到着が遅れていることから、優先的に対処してほしいということになりました。
 そして、呼び方の件ですが、
 「気にせずミスターの希望通りにしてほしい」
 という、オーナーの要望もあり、『マックス』と呼ぶことになりました。


 ただ、マクシミリアンって、容貌が整いすぎている上に、ニコリと笑みすら見せないもんだから、ひじょうに不機嫌に見える上、口調も抑揚のない硬いものなんですよね。
 だから、マクシミリアンの感情を読むのに苦労しましたよ。

 けど、啓に『マックス』と呼ばれて、上機嫌になったマクシミリアンとの距離が縮まり、いい関係が作れそうな感じでだったんです。


 でもね、その日の夜、啓はVIPの酔客に、チップだと言われ、大金を積まれたんです。
 腰を撫でられるというセクハラを受けて、気持ち悪いと思いつつも、凄い大金に一瞬、目を奪われました。
 魔が差したんですね。
 けど、続けられた
 「お休みはないのかい? バイト代を払ってあげるから、もっとディープな東京を案内してくれないか」
 という言葉に目が覚めましたよ。
 チップには不似合いの大金を積む相手の目的がわかったので。

 なので、丁寧な言葉ではありましたが、拒絶したんです。
 それでも、しつこく、今度は啓の身体を拘束しようと手を伸ばしてきた客に、どうしようかと思案していた時、ふいに、
 「失礼、ご用はお済ですか?」
 と、成金酔客とは、格の違う空気を纏ったマクシミリアンが、間に入ってくれました。

 けれど、マクシミリアンは酔客を威嚇したのと同時に、啓に対する声も厳しいものだったんですよね。
 啓、ドキリとさせられましたよ。

 それに、マクシミリアンからの頼まれごとをしようと、受話器をとった時、強い視線を感じて顔を上げた自身を見ていた彼の眼差しは、いつも以上に厳しいものだったんですよね。
 その意味を、瞬間的に、
 『非難の眼差しであることに。そして、マクシミリアンの声が冷ややかに聞こえたのが錯覚ではなかったこと』
 と、心に刺した
 『黒い影の存在を、見透かされた』
 ことを悟り、全身の血が下がる感覚を覚えましたよ。


 そして、マクシミリアンからの頼まれごとを済ませ、部屋を訪れた啓に、彼が浴びせた言葉は、

 「パトロンを探すためにコンシェル

ジュをしているのか?」


 という、侮蔑の籠もったものだったんです。

 啓、確かに、酔客の言葉に対して、
 『一瞬返す言葉を見失った。その間こそが、あってはならないものだと言われれば、反論はできない。』
 と、認める部分はありました。
 でも、その間も、当の酔客にすら、気取られないほどの一瞬のものだったし、何故、
 『数日前に会ったばかりの、ほぼ名前しか知らない宿泊客に、そこまで言われなくてはならないのだろう』
 って、思いましたよ。
 
 それに、開き直るわけではないんですけど、
 『誰にだってあるはずだ。魔が差す瞬間は』
 って、いう思いもありましたし。


 だからと言って啓が、お金に執着があるとか、そういうことではないんです。
 啓の弟・歩(現在中学生)には、音楽の才があり、先日、ヴァイオリンのコンテストに出場した際、優勝したんです。
 更に、たまたま会場を訪れていた世界でも著名な教育者の目に止まり、「本場で学ぶ気はないか」と声をかけられたんです。
 稀にないチャンスですからね。
 啓としては、なんとしても留学させてやりたい思いましたよ。
 でも、先立つものがねぇ、なかったんです。

 レッスン費だけでもかつかつの生活を送っていたのに、更に留学費用でしょう?
 不甲斐ない自身に腹を立ててた部分もありましたし、精神的にもギリギリで、自身でも気づかぬうちに疲れていたみたいでした。
 なので、お金を積まれた際、一瞬ぐらついてしまったんです。


 「なぜ何も言い返さない」
 と、更にマクシミリアンに問われても、啓の口は強張ってしまって声を発することができませんでした。
 自身の評価が落ちれば、ホテルの評価も落とされてしまうので、適切な返事をしないといけないとわかっていたのにです。

 と、いうのも、マクシミリアンからせめられることで、
 『自分に、あんな汚い一面があったなんて』
 って、第3者である彼に気づかされ、パニックに陥っていたんです。

 そうして、やっとのことで返した言葉は……失敗でした。
 自身の失態を認めるようなことを言ってしまったんですよね。

 啓の答えに益々眉間の皺を深くしたマクシミリアンに、
 「否定はしない、か」
 と、案の定、誤解を与えてしましましたよ。

 そして、そのことで、
 『専属になれ』
 と、言ってくれたマクシミリアンを失望させてしまったことに、落胆を覚えました

 でもね、マクシミリアンの

 「金が欲しいのか? ならば、私が

買ってやろうか?」


 に、冷静さを欠き、自身の顔をあげさせるために、顎に添えられていたマクシミリアンの手をはたき落としてしまったんです。

 更に、
 「優秀なコンシェルジュらしからぬ態度だな」
 と、言われ、
 「コンシェルジュである前に人間です! ここまで侮辱されて黙っていられるほど、プライドが低いわけでもありません!!」
 って、怒鳴っちゃいました。

 けど、啓の言った『プライド』という言葉をマクシミリアンは、鼻で笑ったんですよね。
 なので、窮鼠猫を噛むって感じで、
 「こんなふうに、己の力を振りかざして、弱い者を追いつめようとするあなたに、プライドがあるとでも?」
 って、皮肉るんです。

 彼のような立場の人間からしてみたら、啓のような一般人は見下すだけのような存在で、そんな人物からこんなことを言われ、さぞかし怒っているだろうと思って見たマクシミリアンの瞳には愉快そうな光が宿っていて、
 「面白いな。従順を装った毛面の下に、こんな表情を隠していたとは」
 と、言われてしまいましたからね。
 啓、屈辱でしたよ。

 だから、
 「仕事ですから。どんなお客様にも、微笑んでみせます」
 と、言うんですけど、それを逆手に取られ、
 「ならば、私にも微笑んでみせろ」
 と、暗に、
 『ならば今こそ、まさしくコンシェルジュとして、上手く立ち回るべき場面ではないのか』
 という意味のマクシミリアンの言葉に、痛いところを突かれ、言い返せなくなっちゃいました。

 怒り以上に寂寥が滲んだ瞳に涙を浮かべた啓は、マクシミリアンに抱き寄せられ、首筋を噛まれたばかりか、
 「あんなはした金で身売りしようとは……この身体はそんなに安いのか?」
 「どれほどの値がつくか、私が味見してやろうか?」

 と言われ、抱き上げられ、ベッドに放り投げるように下ろされてしまいました。


 恐怖に駆られ、
 「わ、私が気に入ったら、言い値を出すとでもおっしゃるんですか!?」
 と、反射的に喚いてしまったことで、またマクシミリアンの誤解と不興を買ってしまった啓は、何を言っても聞いてはもらえず、状況を悪化させるばかりで、返す言葉すらなくなってしまいました。

 しかも、立て続けに、
 「私を満足させられたなら、言い値を支払ってやる」
 「これまでの客は、貴様に幾ら出してきた?」
 「その倍……いや、十倍出してやってもいい。ちょうど退屈していたところだその変わり、貴様の空いている時間をすべて、私に使わせろ」
 「金以外にも、欲しいものがあれば言うがいい。この身体にそれだけの価値があれば、かなえてやる」

 とまで言われ、啓はなけなしのプライドまで砕かれ、頭の芯が冷えていきました。

 でもね、もうどうでもよくなってしまったんです。
 何を言っても聞き入れてもらえないですし、信頼が戻ることはありませんからね。
 そうして、啓は抗うために入れていた身体の力を抜いてしまいました。



 取引で始まった啓とマクシミリアンの関係は?
 歩の留学は?
 そして、啓はマクシミリアンの誤解を解けるのか?




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 久しぶりに涙が出そうなほどにキました〜。
 だって、啓、けなげすぎるくらいけなげなんですもの!!
 マクシミリアン、いい歳してわがままぶっこいてんじゃねぇぞ!! って、後頭部に飛び蹴り食らわせてやりたい箇所が、1、2、ギャーッでしたよ。
 でもまあ、子供並にダダ捏ねてるとこに、彼のジレンマが見えて、それはそれでムフフなんですけどね〜 (←オイオイ)


〜ツボな脇キャラ〜
 川畑

 啓の亡くなったお父さんの友人で、上司で、目標です。
 彼は、いつ頃から、啓とマクシミリアンの関係に気づいてたのかな〜って、気になりました〜(笑)


 ユージン・マイスリンガー

 啓の勤務先『マイスリンガー・ホテル・トウキョウ』のオーナーで、マクシミリアンの友人です。

 何気にいじめっ子気質で、嫌味を言いながら、チクチク、マクシミリアンを苛めてました〜 (笑)

 超オレ様攻を苛める人……にまにまでした〜!!


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posted by 零 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 妃川 螢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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