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小説STORY集+試し読みコミック試し読み
小説ひとりごと タイトル別コミックひとりごと タイトル別
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ドラマCD
2009年 5月 6月 7月

2008年09月04日

【デコイ -囮鳥-】
 英田サキ ill:奈良千春


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タイトル:デコイ -囮鳥-
        (かちょう)

著者:英田サキ
イラスト:奈良千春
発行:大洋図書
レーベル:SHY NOVELS
発売日:2008/8/29
価格:903円(税込)

*画像clickで拡大画像が見れます。

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〜ひとりごと〜


 意識を取り戻した時、雨の中で倒れていた。
 だが、何故雨の中に倒れているのか、わからなかった。
 更に、「大丈夫か」とかける者があったが、その人物が誰なのか、ましてや自分が誰なのかさえも、何もわからなかったのだ。
 しかも、男の話では、自身は人を殺したという。
 人を殺したという恐怖と、自身が何者かわからない恐怖に、次第に男に依存していくようになるが・・・
 同じ頃、極道会の重鎮・笠尾が、何者かに殺害されたことで、関東侠和会が動き出した。
 犯人探しに乗り出しのは、『鳩』であり『鴉』(からす)の隊長・那岐と副隊長・加賀谷だったが……



 記憶喪失の安見 亨(やすみ とおる)と、謎の多い人物・火野一左(かずさ)、そして、ヤクザの那岐顕司(なぎ けんじ)と、加賀谷 功(こう)の2組出てきます。
 でね、過去に深い繋がりのあった人物たちがいるんですよ。
 それが、もうひとりの人物と繋がってたりで、何、何があったの? どうなんの? ギャー!!って感じで、お話に引き込まれました〜(笑)
 迷鳥の方が、9月6日に延期になっちゃったもんだから、余計に続きが気になります(苦笑)


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 関東侠和会の説明だけ先にしておきますね。

 関東侠和会というのは、言うなれば、極道会の組合みたいなもんです(←ムリヤリ)
 設立者は、任侠会にこの人ありと言われた豪傑で、現在も多大な影響力を持つ、矢嶌(やしま)で、関東の主だった組のほとんどが加盟している組織です。
 一応、親睦団体ということになっていますが、組織間で問題が起きた時には、調停組織の役割も果たしています。

 そして、関東侠和会の中には、『鳩』『鴉』という部隊があり、『鳩』は、監視と内定を役割とする諜報部隊で、関東の暴力団だけでなく、外国人マフィアの同行にも目を光らせています。
 『鴉』は遊撃部隊で、武力介入の必要が出た緊急時に、発動される部隊です。
 ただ、『鴉』を発動するには、理事たちの承認がいります。

 理事たちですら、『鳩』と『鴉』は別部隊だと思っているんですが、実は『鳩』と『鴉』のメンバーは同じなんです。
 で、那岐と加賀谷の正式な立場は、那岐が関東侠和会・遊撃部隊隊長で、加賀谷が副隊長です。


 ↓ここから本題ですよ
 
 意識を取り戻した時、何故か雨の中で倒れてたんです。
 でも、自身が、何故雨の中で倒れているのかはわからなかったんですよね。
 おまけに身体に力を入れた瞬間、頭に耐え難い激痛も走りましたし…

 その時、
 「大丈夫か」
 という声がかけられたんです。
 その男の話によると、どうやら石段から転落したということでした。

 でね、その男、
 「あの男は死んだぞ」
 って、奇妙なことを言うんです。
 けど、男の言う『あの男』が誰なのか聞く気になれませんでした。
 それよりも先に、目の前の男の方が誰なのか気になったからです。
 だから、
 「……あんたは誰だ?」
 と、問うたんですよね。
 でも、男は何も答えず、表情さえも人形のように動かなかったので、聞こえなかったのかと思って、もう1度聞きなおしました。

 けど、自身のかたわらにしゃがみ込んだ男に、
 「俺がわからないのか?」
 って、逆に質問されたんですよ。

 激しい頭痛を堪え、問われたことに、
 「わからない。何も、わからない……。俺は、俺は誰だ? 教えてくれ……」
 と、答えている内、自身が何も覚えていないことに気づき、怖くなりました。

 けど、更に問いたくても、意識が霞んでいき、問えなかったんです。
 そして、憐れむような表情を浮かべ、頬を撫でた男の冷たい手が、自身の地面に落ちていた右手に触れたんです。
 その手には、拳銃が握られていて、手のひらは赤く染まっていました。
 『――これは誰かの血なのか?』
 と、思った直後、意識は完全に途切れて、それ以上考えることも男に問うこともできませんでした。


 再び、意識を取り戻したとき、自身がいたのは全く見覚えのない部屋で、記憶の方は、やっぱり戻ってませんでした。

 でね、男に彼のことと、自身のことを聞くんですよ。
 そしたら、
 「ひとことで言うなら同居人かな。お前は半年ほど前から、ここで俺と一緒に住んでいる」
 「俺の名前は火野だ。お前は安見亨。年は二十八歳。生まれも育ちも東京で、家族はいない。俺が知っているのはそれくらいだ」

 って、簡単なことしか返ってこなかったんです。

 安見、呆然としましたよ。
 半年も一緒に住んでたっていうのに、そんなことしか知らないって言うんですもの。
 
 だから、同居人ならもっと知ってるはずだって、詰め寄るんですけど、
 お前は自分のことを語りたがらない男だったし、俺もお前の過去を詮索しなかった、だから今言ったことがすべてだ」
 と、言われてしまったんです。

 安見、怒りが湧いてきました。
 それがね、八つ当たりだってわかってるんですよ。
 でも、
 『ひどい男だと思った。自分が何者かわからないという不安がどれだけのものか、この男にはまったくわからないのだ。いや、不安なんて生やさしいものではなかった。恐怖だ』
 と、思うんです。

 でも、知らない以上、追求してもしょうがないので、矛先を変えて、同居することになった経緯を尋ねた結果、
 「今年の一月頃に俺の行きつけのバーで偶然出会い、知り合いになった。何度か一緒に飲むうち、お前に懐かれた、金がないと泣きつかれて、おごってやったこともあったな。知り合って四ヶ月ほど過ぎた頃、家主に追いだされて行くところがないって言うから、うちに泊めてやった。お前はそのまま居着いて、俺の同居人になった」
 と、説明されました。

 それにしても、ほんと簡潔な説明ですよね。
 わかりやすいっちゃあ、わかりやすいけど(笑)

 それ以外にも、安見には信じられないような説明を受けました。
 自身がヒモをやっていて、定職に就いていなかったし、一緒に住むようになってからも、火野の手伝いを、たまにしてたらしいですけど、それは変わらなかったって。

 この説明には、かなりショックを受けたみたいでした。
 だから、火野の言うことは全部でたらめだって、
 「俺はそんな男じゃない」
 「俺はそういうタイプの男は嫌いだ」

 って、否定したんですよ。
 けど、
 「嫌いでも、お前はそういう暮らしをしていたんだ」
 と、断言されてしまい、言葉を返せなくなってしまいました。

 それに安見はね、火野から自身の情報を得られなかったので、期待してたんですよ。
 職場の人間なら、もっと自身のことを知っているかもしれないって。
 でも、その望みも絶たれてしまいましたし、火野の仕事っていうのも、便利屋ということで、彼に感じていた胡散臭さは倍増してしまいましたしね。

 安見が、火野のことを胡散臭いと感じていた通り、彼の仕事の便利屋というのは、一般的に言う便利屋ではありませんでしたよ〜。


 安見、気になっていた自身が倒れていた時のことなんかも質問しました。
 その説明で、安見は愕然とさせられました。
 あの時持っていた銃で、男を撃ち殺し、その後石段から落ちて頭を打ったって、聞かされたんですから。

 この時もね、
 「嘘だ……」
 って、否定したんですよ。
 火野には、
 「またそれか」
 って、呆れられてしまいましたけど。

 安見、自分でも完全に否定できないことをわかってました。
 手には拳銃を握っていましたし、血液らしきものも付着していましたからね。
 けど、受け入れ難いことばかりだったんですから、しょうがないですよね。


 火野に、
 「信じたくないのなら嘘だと思っていればいい。俺はお前が人殺しでも構わない。これまで通り、お前と一緒に暮らしていくつもりだ
 と、言われたんです。
 安見、
 『おかしい。この男はやはり変だ。同居人が人を殺したのなら、もっと深刻になるのではないか。まったく動じることもなく、どうしてこれほどまでに平然としているのだ』
 って、訝しく思いました。

 で、安見が殺した男ですが、火野にも男の素性はわからないそうです。


 あの時の状況なども聞かされて、安見も必死に思い出そうとしました。
 信じたくないからこそでしょうね。
 でもね、何も思い出せないばかりか、頭が割れそうに痛みだしたんです。
 だから火野に、
 「今は何も考えるな」
 って、ベッドに寝かされ、子供をあやすみたいに額を撫でられたんです。
 そしたら、安見、
 『得体の知れない男だと思っていても、優しくされれば弱った気持ちは安らぐ』
 ですって。
 ヒドイですよね〜(笑)


 でもね、火野に優しくされたことで、張り詰めていた心がゆるんで、
 「怖い……」
 「もし……もし本当に俺が人殺しなら、警察に捕まる……」

 って、弱音が出たんですよ。

 そしたらね、火野、また奇妙なことを言うんです。
 「お前は捕まったりしない。お前はそういう部分に関しては慎重な男だった。指紋を残すようなヘマはやっていないだろう。それにお前が殺した男は、おそらく誰にも内緒であの山荘に来ているはずだ」
 って。

 『お前はそういう部分に関しては慎重な男だった』
 の『そういう部分』って何? って、気になりましたよ。

 それに、
 「お前はこれまで通り、俺とここで暮らすんだ」
 「お前が何者でも気にしない。だから俺から離れるな。お前のことは、俺が守ってやる」

 って、言うんですよ。

 半年同居してますが、自身の過去を何も知らないし、火野の言うことが本当なら、殺人犯ですよ。
 なのに、出た言葉がこれですからね。
 執着に近いものを感じますよね〜。


 安見が不安に陥っている時、関東侠和会の理事長・矢嶌の命で那岐と、加賀谷動き出しました。
 警察に、10年ほど前、高仁会と抗争を繰り広げた西日本最大の勢力を誇る暴力団・渡月組(とげつぐみ)の仕業だってタレこみがあったからです。
 もし、それが本当なら、また抗争が始まるかもしれないでしょう?
 あの時と同じことを繰り返してはいけないって、犯人探しを命じられたんです。

 彼らが探しているのは安見のことで、安見が殺したとされているのが、高仁会の前組長で、現在は相談役の笠尾です。

 加賀谷、実は那岐のことが好きなんです。
 で、一度は那岐も、加賀谷のことを受け入れたんです。
 でもね、過去にあった出来事のせいで、酷い拒絶をしてしまったんですよね。
 それでも、2人は1番信頼できる相棒として、共に仕事をしてるんです。

 加賀谷を受け入れられなかったという過去ですが、それを那岐は誰にも話そうとしないんです。
 加賀谷は、それがもどかしくて、時には苛立たしくてしょうがないんです。
 なのに、那岐を一途に思っている姿は、けなげでしたよ〜。



 安見や那岐が話したがらない過去とは?
 火野が、安見へ執着するのは?
 そして、火野の本当の顔とは?



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 那岐の過去を、少しですが、知ることはできました。
 でもね、加賀谷を拒絶した理由に、それがどう繋がるかまではわからなかったんですよ。
 だから、めちゃめちゃ気になりますし、那岐と加賀谷のこれからも、かなり気になります。

 でね、何もかも知っている風の火野が、それを知っていて受け入れている理由も気になるんですよ。
 それに、火野の心のある感情が壊れていることや、彼が選んだ仕事も。
 だから、迷鳥が出るのがとても楽しみです!!

 そして、交渉人は黙らないの続編と、デコイ -囮鳥-』『デコイ -迷鳥-』の連動企画で、小冊子の全員サービスもあるそうですよ〜。



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posted by 零 at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 英田サキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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