2008年08月15日

【愛炎の檻】 バーバラ片桐 ill:奈良千春


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タイトル:愛炎の檻
著者:バーバラ片桐
イラスト:奈良千春
発行:竹書房
レーベル:ラヴァーズ文庫
発売日:2008/7/25
価格:600円(税込)

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〜ひとりごと〜


 新しく暴力団を取り締まる法案の制定に全力を注ぐ政権与党の重鎮・堅城(けんじょう)代議士が、銃撃された。
 幸い重症は負ったものの命に別状はなかったが、義息子で都議である正英(まさひで)は、気丈に振舞うものの、やはりショックを隠せなかった。
 そんな正英を元気づけたのが、担当外科医の野秋だった。
 だが野秋は、多額の借金を背負い、ヤクザから風俗店で働くことを余技なくされている妹を救うため、奔走しているところを逆手にとられてしまう。
 妹を働かせている当のヤクザ・丸山に、みだらな写真を撮られ、それを材料に、野秋自身も脅迫されることになったのだ。
 妹を救うため、また写真を取り戻すため、自宅療養になった堅城代議士の主治医として、堅城邸に通うことになった野秋は、丸山との交換条件である小冊子を探すが……



 互いに認め合っていたからこそ、裏切られたという怒りは大きいものになり、えっチィ拷問をする側とされる側になってしまった2人のお話です。

 『お道具祭り』と、バーバラ先生が豪語される通り、凄いことになってます。
 でね、堅城家は、堅城代議士と正英の2人家族なんですよね。
 で、そんな趣味があるようには、とても見えない2人(←いや、堅城代議士は一言も喋っていませんけどね…… 遠い目)な上に、お道具を買いに行く時間も様子もないのに、大量に出てくる、出てくる(笑)
 一体、どういう人たちなんだ!?って、思ってしまいましたよ(笑)
 そしたらね、あとがきで、バーバラ先生もお道具のことを話題にされてて、『ああいう道具というのは、攻めが買ってくるの? それとも、部下に「買っておけ」と命じるの? カタログを見て、さりげに○をつけて「これを」と渡しておくのかしら?』って、仰ってたんですよ。
 その謎は、まだ解けてないそうでなので、私もそれ、前から気になってたので、是非、解明お願いします〜と、読みながら思っていた、相変わらず、変なトコに引っかかってるヤツでした(苦笑)
 因みに私は、通販(ネットショッピング)説が濃厚と思っています!!

 というワケで、話はズレちゃいましたが、調教通り越して、エスえむ入っているお話なので、苦手な方はお気をつけて、大丈夫な方は、一緒にムフムフしましょうなお話でした!!(←エェッ!?)


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 野秋も正英も両親が亡くなっています。
 野秋は、大学病院の医師ですが、亡くなった両親が経営していた病院の借金を必死こいて返している最中で、正英は両親の親友だった堅城代議士に引き取られ、後継者になべく、自身も都議ではありますが、修行中といった感じです。


 ある日、堅城代議士と正英都議が、党の新宿支部ビルから出てきたところを、銃撃されたんです。
 正英の方は無事でしたが、堅城代議士の方は、撃たれてしまいました。
 自身の身の安全より、養父の方が心配だった正英だったんですが、ボディガードに車の陰へと押さえ込まれ、身動きが取れない状態でした。
 パトカーや救急車のサイレンの音で、極限状態にまで達していた現場の空気が緩んだんですね。
 で、やっと正英はボディガードを振り払い、右往左往するばかりの秘書や関係者たちに指示を出したんです。

 でもね、敬愛してやまない養父が銃撃され、強い怒りと共に、1番混乱していたのは正英だったんですよね。
 だから養父の手術中、控え室として準備された会議室にいる時も、呆然とするばかりでした。

 そんな正英に、
 「大丈夫ですか」
 と、声を掛けたのが、手術に助手として入っていた野秋でした。

 そして、野秋から、内臓への重大な損傷もなく手術は成功で、頭部にも損傷がないことから、後遺症の心配も恐らくないだろうと説明を受けたんです。
 正英はね、未だ混乱の中にいましたからね。
 口調が柔らかでわかりやすい野秋の説明で、やっと現状を把握できましたし、理解する余裕が戻ってきたんです。
 だからか、野秋が立ち去ろうとしたとき、心細い思いしてる子供か、刷り込みされた雛鳥のように、ずっと背中を見つめてましたよ〜(苦笑)
 野秋は、正英のためにコーヒーを淹れに行っただけだったんですけどね。

 野秋が淹れてくれたコーヒーをふたりで飲んだんですけど、正英はそんな彼の気遣いに感謝しました。
 それはね、野秋が動揺している正英を慮ってしてくれてることだとわかったからなんです。
 なので、養父の秘書と入れ替わりに出て行こうとする野秋に、
 「待って下さい! 今後、あなたに会える機会はありますか?」
 なんて、ちょっと不自然なこと聞いちゃってました(笑)
 その上、
 「おそらくは、いくらでも」
 と、言われて(←主治医)、ドキリとしてますし、
 『振り返った白衣の野秋は、ずっと見ていたい気持ちにさせるほど艶やかだった』
 って、白衣フェチまで発動させてましたしね〜(笑)

 『――医師と患者の家族、か。
  その距離は、縮まらないものだろうか。』

 と、正英は思ってましたから、一目惚れに近いものがあったんでしょうね。


 ここまでが、正英視点で、ここから先は、野秋視点に変わります。


 野秋の妹がホストに嵌り、お金を絞り取られ、闇金にまで手を出してしまったんですよ。
 その結果、風俗に沈められただけでなく、売春紛いのことまでさせられてたんです。

 それを知った野秋は、妹を助けようと奔走したんですけど、妹が働いているのは、バックにヤクザが絡んでるお店だったんですよね。
 で、直接、そのヤクザのところにも出向き交渉しようとしたんですけど、丸山というヤクザに、
 「――妹は売れっ子だ。辞めさせろというなら、てめえが毎月百万、払ってくれるって言うのか?」 と、詰め寄られて、言葉を失ってしまいました。

 野秋、医者といっても、大学病院の勤務医ですからね〜。
 それに、両親が経営していて倒産した総合病院の借金を返済しているので、とても毎月百万なんて払えないんです。
 そこで、法的手段に出るため、友人の弁護士に相談したんです。


 その直後、丸山本人がやってきて、話し合いに応じてくれるのかと思いきや、拉致された野秋は、きん縛され、後ろにはバ○ブという姿にされてしまいました。
 野秋は、妹のことで弁護士を立てたことが、彼らの逆鱗に触れたのかと思ったんですけど、丸山の目的は別のところにありました。
 さんざん辱められ、その姿を写真に収められた後、丸山は、妹とその写真を返す条件を出しました。

 それは、堅城代議士が発行している『政治活動報告書』の昭和55年版を、自宅から盗み出せというものでした。
 犯罪には加担できない、他の入手方法はないのか? と問う野秋に、丸山は、古いものだから手に入らない、部下が失敗した挙句警戒されてしまい不可能、理由は、上部団体・大ボスの病気で亡くなった孫だか娘だかの写真が、問題の小冊子に載っているそうなんです。
 で、孫だか娘だかの写真をかき集め宝物のように大切にいる大ボスに、新しいものを1枚でも提供したら、その大ボスの覚えがめでたくなるそうで、だからこそ、出世のために手に入れたいということだったんです。

 野秋、医者ですから、辛い思いをしている家族を沢山見てきているだろうし、自身も両親を失ってますからね。
 だから、情に絆されたのもあると思うんですけど、軽く考えちゃったんですよ。
 ちょっと、借りてきてコピーして、戻せばいいって。

 そうして、丸山に迫られて、やると言ってしまった野秋でしたが、相手がヤクザなだけに、警戒心は消えず、裏がないか念押ししました。
 「何を? あんなもので、何か企めるかよ。 ――最初に失敗したせいで、正攻法で入手するのが無理になっただけだ。承諾した以上。こっちもそのつもりでいるからな。途中でやめましたなんて、ハンパな言い訳は通らねえ。引き受けたからには、本気で探せよ」
 と、逆に念押しされてしまいました。


 実は野秋、丸山には言ってなかったんですけど、自宅療養する堅城代議士につくことに、この話を持ち込まれたときには既に決まってました。
 だから、受けたってのもあるかもしれません。

 そうして、堅城邸に通うようになった野秋は、正英とも近しく言葉を交わすようになり、また、彼の気遣いに、好印象を持つようになります。
 けど、それとは逆に、彼の養父への、政治家への思いを聞かされ、その厳然たる口調に、
 『――怖い男だ』
 『この男を敵に回してはしけない、今の関係を保たなければならない』

 と、思わせられました。

 でも、丸山から命じられた任務も果たさないといけないでしょう?
 後ろめたい思いを感じながらも、探しました。
 警備も、家の中に入るまでは、身体、荷物チェックをされて厳重ですが、中に入ってしまえば、見張る目はありませんでしたから。
 けど、応接室、書斎、そして堅城代議士が眠っている間に私室も探したんですけど、見つからなかったんですよ。

 更に、堅城邸に通うようになって1週間後、病院で待ち伏せしていた丸山にも急かされましたからね。
 それに、この任務自体が、野秋の心に棘のように刺さり、毎日毎日そのことんばかり気になってたんです。
 だから、さっさと片付けてしまいたかったんです。

 けどね、翌日、1度探した書斎で、目的の小冊子を見つけたことに和感を感じながらも、部屋を出た瞬間、ボディガードたちに囲まれてしまいました。
 何とか冷静になろうとしますが、誤魔化す術もなく、彼らに伴われながら、応接室に連れて行かれました。

 でもね、たかだか『政治活動報告書』を持ち出そうとしただけでしょう?
 確かに、それは犯罪ですけど、それにしても厳しい表情のボディガードに、野秋は不安を募らせました。


 野秋の件の報告を受けて戻ってきた正英の態度も、相当のものでした。
 いきなり、
 「おまえが裏切り者だとはな」
 と、厳しい顔で切り出されましたし。

 野秋は、軽い重いではなく、罪を犯した意識がありますので、返す言葉もなく、正英を直視することもできませんでしたよ。


 野秋の件が発覚したのは、実は邸内にも監視カメラが設置してあって、野秋の行動の全てがバレバレだったからなんです。
 それでもね、正英、野秋のことを信用しようとしてたんですよね。
 だからこそ、裏切られたという思いが大きかったんです。

 けど、まだどこかで信じたかったんでしょうね。
 「これを持ちだされたからには、おまえがヤクザの手先だということを認めないわけにはいかないようだな。金か? 何らかの理由で大きな借金を背負い、その穴埋めのために金が必要なのか? それとも……何か他に理由があるのだったら、聞いてやろう」
 なんて、許す理由を見つけようとするかのように問うんですよ。

 この時点では、野秋、自分のことを話すよりも、小冊子に何があるのかの方が気になって、そっちを先に問うんですよね。
 で、丸山たちが、野秋に好条件を出してまで欲しがる、本当の理由を知り、絶句しました。

 でも、正英が譲歩を見せてくれてたでしょう?
 だから、自分の愚かさを認めつつも
 『知らなかったという言い訳が、今更通用するはずがない。それとも必死で訴えれば、聞き入れてくれる余地が正英にあるだろうか』
 と、思うんですよ。
 でも、その考えに至ったとき、丸山が撮った写真の意図、万が一失敗して正英に捕らえられても、余計なことを喋らせないようにするための保険だったことに、やっと気づくんです。
 それに、妹も人質に取られているようなものですものね。
 なので、正英に背後関係を問われても、何も言うことができなかったんです。

 それを、正英は
 「ヤクザと情を通じているようだな」
 と、勘違いしてしまいました。

 心の中で、否定する野秋でしたが、実は、病院で丸山に待ち伏せされていたとき、あの時の写真をプリントしたものを渡されていたんですよ。
 それを野秋ったら、鞄の中に放置してたんですよ〜。
 で、ボディガードに荷物チェックされた際、その写真が見つかり、正英の手に渡されてたんです。

 その写真を見た正英は、
 「かなり気持ち良さそうで、我を忘れたような顔をおまえはしているが、ヤクザにこんな写真撮られ、脅迫されて今回の行為に及んだのか、もしくは情夫であるヤクザの男の役に立とうと盗みを働く気になったのか、どっちだ?」
 と、問います。
 野秋、咄嗟に言い訳しようとしますが、
 「警察に突き出すのなら、そうしてくれ」
 としか、言うことはできませんでした。

 野秋、ショックだったのもあるんですよね。
 自分が、写真の中のようなことを同意してするような人間に見られたことが……。

 けど、写真のことだけでなく、妹のこともありますから、どうしても言えなくし、言えないことがまた、正英に対して申し訳なくてなりませんでした。


 そんな野秋に、正英はいらだった口調ではありましたが、もう1度、
 「警察に突き出せなんて言い出す前に、俺の質問に答えろ! おまえはヤクザの仲間か? それとも、奴らに脅されて助けが必要なのか?
 って、理由を問うてくれるんですよ。

 『助け』という言葉に反応し、彼に、
 『こんな状況でも、まだ情けをかけてくれようとする正英の公正だが胸を打つ』
 と、一瞬、迷いました。
 けど、そんな正英だからこそ、巻き込んではいけない、自業自得なのだからと、諦めてしまいました。

 何も言わない野秋に、
 「そうだな、合意ではないのならば、こんなもの(写真)はとっとと処分してしまえばいいだけだ」
 と、完全に誤解してしまった正英でした。

 そうして、
 「俺はこの小冊子を盗み出そうとした。言い訳はしません。だが、その理由について一切話すつもりはない」
 と言った野秋は、
 「だが、何が何でも話してもらおう。誰の指示で動いてる」
 と、一歩も弾かないような、強い口調で言われただけでなく、
 「そっちがその気なら、こちらもそれなりの荒療治に出ないといけないだろうな」
 地下に連れて行き、これと同じ格好で縛れ野秋を送りこんだヤクザが判明したら、そいつに送りつけてやる。宣戦布告だ。おまえの可愛いペットはうちで買われていると知らせるんだ」

 と、とんでもないことを、ボディガードに命じる正英の言葉を聞きました。


 正英、養父が銃撃された事件と、この野秋の件は同一犯の仕業だと思っているんです。
 それに、暴力団と政治が深く結びついていていて、裏でヤクザと関係を結んでいる議員が存在することも十分理解してます。
 だから、
 『誰も信用ならない』
 『自分一人で、この得たいの知れない敵に立ち向かわなければならないのだ』

 と、思い詰め、
 『とんでもないものを敵に回した恐怖が、正英の心胆を凍えさせる』
 と、恐怖心を抱きながらも、負けるわけにはいかないって、張り詰めてたんですよね。
 なのに、信用していた野秋の裏切りでしょう?
 元々、良好な関係の時にさえ、野秋に怖いと感じさせたくらいの正英ですからね。
 いつ切れてもおかしくないほど、神経を張り詰めさせてしまったんですよね〜。



 『政治活動報告書』の秘密とは?
 正英に誤解され、監禁されてしまった野秋は?
 そして、人質の妹と、写真を取り戻すことはできるのか?




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〜ツボな脇キャラ〜
 丸山

 野秋を脅してた人です。

 もう少し、丸山に組織内での力があったらね〜と、思いました。
 彼も、上層部からの命令で、仕方なく動いてたんですよね。
 批判めいたことも言ってましたし……。

 頭も良いと思いますし、そんなに悪い人ではないんですよね。
 それに、奈良先生の描かれた丸山、結構イイ男なんですもの〜!!
 ついつい贔屓しちゃいます(←オイオイ)

 それに、冗談っぽく野秋を口説いてましたが、かなり本気だったみたいですしね。

 数年後の丸山の成長した姿、経済ヤクザになってガンガン稼いで若頭くらいに上り詰めてるとこが見てみたいな〜と思いました。(←オイオイ)

 

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posted by 零 at 00:49| Comment(2) | TrackBack(1) | バーバラ片桐 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
今ふと、自分のエントリーの最初の方に○○って単語があるからトラックバックが届かなかったんじゃないかしらって心配になっているんですが、大丈夫かしら?

丸山、私もなんだかツボでした。
もうちょっと出て二人の間に絡んでほしかったなぁと思います。

なんなら三人で一緒にって言うのでも私は全然おっけーなんですけど(コラコラ)

丸山が上り詰めたところも見てみたいですね(ΦωΦ)フフフ…

ではでは!
Posted by 高坂 at 2008年08月15日 11:42
 こんばんは〜。

 コメントの件ですが、私もたぶんそうじゃないかな〜と、思っています。
 エラーになると、サーバーからの連絡がこないので、わからないんです (*´ο`*)=3 はふぅん
 本当にご迷惑お掛けしました m(.".)m

 いやん、高坂さんも丸山ツボでしたか?
 あんな風に見えて、いい人でしたものね〜(苦笑)
 それと、野秋に手を出せなかったのは、案外ヘタレだったからじゃないかと思っています ( ̄ー ̄)ニヤリッ

 >もうちょっと出て二人の間に絡んでほしかったなぁ
  じゃあ、じゃあ、料亭でのシーンは、高坂さんにとっても絶好のチャンスだったんかないですか?(←オイオイ)

 ね〜、丸山が上り詰めたとこ見れたら、嬉しいですよね ☆^(o≧▽゚)oニパッ
Posted by 零 at 2008年08月15日 22:02
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