タイトル:夜を統べるジョーカー 著者:高岡ミズミ イラスト:実相寺紫子 発行:徳間書店 レーベル:キャラ文庫 発売日:2008/07/02 価格:560円(税込) |
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〜ひとりごと〜
| 駆け出しのフリージャーナリスト矢田佑一(やだ ゆういち)は、若者の間であっという間に広がり、今では入手困難なことから、幻のドラッグと言われる『AQUA』を追いかけて、新宿歌舞伎町を彷徨っていた。 その妙な佑一の動きが、広域指定組織・叡和会(えいわかい)若頭補佐・義永隆史(よしなが たかふみ)の耳に入り、彼の部下に拉致された。 しかも、現れた義永は、いきなり佑一に「服を脱げ」と命令してきたのだ。 義永の言葉を、冗談にしようと笑ってみせるが、彼の佑一自身を見据える眼光から、本気だと悟り、押さえつけられ脱がされるよりは、と自らの手で洋服を脱ぎ捨てる。 そうして、義永の佑一への何らかの疑いは晴れたようだが、何故こんなことをされねばならばかったのかの理由も聞かされなかった佑一は、用は済んだと立ち去ろうとする彼を呼び止めた。 そして、彼の口から、ドラッグのことが出たことで、情報をもらえるかもと浮き足だつ佑一だったが、情報を貰えなかったばかりか、聞きたくもない忠告までされてしまった。 義永に失望した佑一は、「俺は俺でやるから」と啖呵を切って飛び出す。 だが、ビルを一歩出たところで、義永の部下2人に路地に連れ込まれ、無理やり薬を飲まされてしまう。 その薬は、即効性のあるものらしく、足元も覚束なくなってしまった佑一は、交差点の真ん中で身動きが取れなくなってしまった。 そこに、黒塗りの高級車が現れ、車中に引っ張り込まれた佑一は、そこに座る義永に、全ては彼の仕業だったと知るが、既に遅く薬の効果で高ぶった身体をいいようにされてしまった。 3日後、佑一は義永に会うために新宿を訪れ、無謀にも彼に協力を仰いだ。 佑一が引かないと見て取った義永は、「足がかりをつくってやるのは構わない」と、折れるも、当然のように見返りを求めてくる。 金かと身構える佑一に、義永が出し来た条件は、自身のことを話すというもので…… |
高岡先生らしいと言っていいのかな?
なので、ヤクザものというよりは、サスペンスものでした。
私は、サスペンス系も好きなので楽しめましたが、ヤクザものの面を求める方には、艶シーンも少ないですし、かなり物足りないかもしれません。
佑一の自慢だった従兄弟が薬物の犠牲になってるんです。
なので、謎の多い『AQUA』のスクープを取って一人前のジャーナリストになるという目的だけでなく、従兄弟の件で、麻薬なんて売人も買い手も全ていなくなればいいっていう思いもあって、『AQUA』にやたらと拘っているんです。
『AQUA』というのは、数ヶ月前に突然現れたかと思うと、一部の若者の間にあっという間に広がっていったドラッグです。
特徴は即効性のあるアッパー系。
効き目は数時間で、夜に使用すると朝にはすっかり抜けていて、常用性が低いこと。
そして、1ダース1万2千円と安価で、手軽に仕えるドラッグとして静かに蔓延していったんです。
けれど、需要に対して供給が追いつかず、それにつれて値段も高騰し、現在では幻のドラッグとまで言われているんだそうです。
駅のホームで大学生が、急死したという報道がありました。
この事件よりも3日前に、知人のカメラマンから『AQUA』のことを聞かされていた佑一は、この大学生が飲んでいた場所と『AQUA』が取引されていたという場所が近かったため、2つを結びつけて考えたんです。
で、新宿歌舞伎町を、佑一は情報を求めて2時間あまりうろつきました。
その時、男に声をかけられたんです。
客引きかとうんざりした佑一は、振り切ろうとしたんですけど、背後にもうひとり男がいて、前後を挟まれる形になり、逃げるに逃げれなくされてしまったんです
マズイ状況に誰か助けてくれないかな?と思っても、他人を気にするような人たちもいなくて、背中を押されながら強引に、バーらしき店が集合しているビルに連れ込まれてしまいました。
地下2階の事務所らしきところに連れていたかれた佑一は、40歳前後の神経質そうな男の前へと引き出されました。
湯浅というその男に、妙な迫力を感じさせれた佑一は、表面上は平静を取り繕っていましたが、ヤクザに捕まったか?と焦りましたよ。
でも、そんな状況なのにも関わらず、湯浅の左手に嵌められた太いリングに目がとまった佑一は、あの手で殴られたら、前歯の1本2本の犠牲は覚悟しなくてはならないからと、湯浅が右利きであることを祈ってました〜(苦笑)
なんだかんだ言っても佑一、余裕ですよね。
びっくりしちゃいました(苦笑)
ただ、今までにもそこそこ危険な目には遭ってきているみたいですし、ジャーナリストを目指したときから、危険は覚悟してたんですって。
だから、まずは的確に状況判断することが必要って、冷静になるよう努力していたのかもしれませんね。
湯浅から簡単な質問を受けた佑一は、当然、偽名を名乗り、職業も会社員と偽りました。
けど、ここに連れてこられた理由も明かされず、のらりくらりと投げかけられる言葉に焦れてきた佑一が、身を乗り出そうとした時、自身をここに連れてきた安達という男に、脱臼しそうなほど後ろ手に捻りあげられてしまったんです。
でも、そのくらいで怯む佑一ではなく、放せと言うとともに、
「いったい俺が何をしたっていうんだよ。街を歩いていただけじゃないか」
って、文句を言ったんですよね。
そしたら、今度は口の聞き方が気に入らなかったらしく、湯浅の命令で一度は腕を放されましたが、また安達が動こうとしたんです。
幸い、この時も湯浅が止めてくれましたけど……。
でね、湯浅は、佑一が答えたことや、自身が見た特徴を携帯で誰かに報告し始めたんです。
そんな状況に、
『おそらく立場はいまより悪い』
と焦ります。
何故なら、湯浅が敬語で報告していることから、自身より上の立場の人間に連絡しているのは明らかですし、この男たちが佑一の何に引っかかりこれほど過剰な反応をするのか見当がつかなかったんですよね。
なので、対処の仕方もわかりませんし、佑一が身分を偽っていることなど、湯浅にはお見通しでしたから。
そして、ソファーに座らされ、唾を嚥下する音さえ響きそうな気まずい10数分後、義永という男が現れました。
義永から受ける威圧感に、
『顔を合わせただけで負けていたら、無事にこの場を乗り切ることなど到底無理だ』
と自身を叱責し、連れてこられた理由を問いました。
けど、それに返ってきたのは、
「なにもしていないと?」
という、佑一に逆に問いかけるものだったんです。
佑一は、
「してません」
と目をそらさず(正確には、そらすことができなかったのですが)と答えました。
それに対し、思案する様子を見せた義永だったんですけど、いきなり
「服を脱げ」
って言い出したんです。
佑一、一瞬なにを言われたのかわからなかったどころか、自身の耳を疑ったほどでしたよ(笑)
服を脱がなければならない意味がわかんないですものね。
でも、再度
「着ているものを脱げと言ったんだ」
って、言われて、冗談にしてしまいたかったと笑うしかありませんでしたよ。
許してくれませんでしたけどね(笑)
その上、
「脱がされるほうが好みか」
とにこりともせずに真顔で言われてしまい、
「……まさかとは思うけど、そういう趣味?」
と半信半疑で問いかけてみますが、返事もありませんでしたし、自身を見据える眼光に彼が冗談や洒落で言っているのはないことを嫌でも理解させられました。
で、拒絶すれば、押さえつけられ思い通りにされるだろうことが容易に想像ができましたから、
『減るもんじゃなし』
と無理やり自分を納得させました。
佑一にとっては、脱がされることの方が屈辱だったんですよね。
だから、義永の意図がどこにあるのかはわからなくても、選択肢のないこの状況では、自身の手で脱ぐことが最善の策だったんです。
そして、脱いだ服を湯浅が調べていることから、窃盗犯とでも思っているかのような扱いに、年上の義永に対して敬意を持って丁寧な言葉使いを心がけていましたしが、やめちゃいました!!
だって、初対面でいきなり「脱げ」って命令するような人ですものね。
佑一が、敬意など不要と思ってもしょうがないですよね〜。
命知らずだとは思いますけど(←オイオイ)
とうとう下着1枚になった佑一は、
「パンツの中身まで見たいなんて、言わないよな」
と、一応訊いてみますが、義永、
「中身を見せろ」
ですって(笑)
「全部だ」とか他にも言いようがあるのに、佑一の言葉尻を捕らえてではありますけど、「中身を見せろ」ですよ!!
あんまりな言い方に、どこのエ口ジジィだって、笑っちゃいましたよ〜。
そう言われて、動揺する佑一でしたが、それを抑え込み、
『こんなことなんでもない』
と唱えながら、下着を下ろしました。
それでも、
「男のパンツの中を見たがるなんて、趣味が悪い」
って、精一杯の皮肉を言ってた佑一ですけどね(苦笑)
佑一の検分が終わったらしい義永は、湯浅から報告を受けた時に聞いていた言葉、
「なるほど、アイドルタレントか」
って、ひとこと言っただけで帰ろうとしたんですよ(←佑一、アイドルタレントみたいな顔立ちです)
この義永の行動に、佑一は、何事もなく終わったことにほっとする気持ちと、言いようのない屈辱に駆られました。
人前でこんなことをさせられて、理由の説明もないばかりか、感想が「なるほど、アイドルタレントか」ですもの。
『確かに、人前で裸になるのは屈辱だ。だが、それ以上に他人に無理強いされるという事実のほうが精神的に打ちのめされる』
って、結構キてた上にこれですものね。
だから、やめておいた方がいいとわかっていても、理由を聞かせろとばかりに
「それだけ?」
と、立ち去ろうとする義永の背中に問うたんです。
それでもやっぱり、説明はもらえず、危険なムードをたっぷりと含んだ笑みで
「これだけですんでラッキーだと思って、忘れろ」
と、義永に忠告されただけでした。
でもね、その笑みが、佑一のジャーナリスト魂に火を点けてしまったんですよ。
だから、圧倒されながらも
『いったいどういう男なのだろう。上等な物を見につけ、自分よりも年上の人間を顎で使う男。言葉は少ないのに、異彩を放つ男。義永からは夜の匂いがする。職業は? 経歴は? まず下の名前と年齢を知りたくなった』
と止せばいいのに、
「厭だ――って言ったら?」
って、挑発しちゃうようなことを言っちゃうんです。
佑一のそんな態度に、先に反応を見せたのは湯浅の方でしたよ。
それは、義永が制しましたが。
それに、彼が自身の話を聞く余地を見せたと思った佑一は、
「わけも教えられずいきなり連れてこられて、こんな仕打ちを受けてラッキーだと思えるわけがない」
と抗議したんです。
暫く、睨みあったふたりですが、突如緊張を解いた義永は、自身が来たと同時に出て行かせていた安達たち同様、湯浅も退室させ、ふたりっきりになりました。
つい、佑一は自身がジャーナリストだということを口を滑らせてしまったついでに、本名やうろついていた理由を『AQUA』のことは出さず、ネタ探しをしていたと告げたんです。
そんな佑一に、やっと義永の方も、
「二時間も徘徊している若い男の目的がなんなのか知りたかった。俺のテリトリーで勝手にやばいドラッグでも捌かれたんでは、義永はやきが回ったと悪評が立つ」
と理由を話しましたよ。
そして、佑一に対する誤解が解けたことも認めました。
佑一の中には、義永の言葉を全面的に信じていいのか?という迷いはありましたが、彼の口からドラッグって言葉出たことで、『AQUA』について探りを入れることにしました。
でも、彼から返ってきたのは、
「余計なことには首を突っ込まないほうがいい」
という、常識じみた忠告だったんですよね。
そんな義永に、佑一、『とんだ見かけ倒しだ』ってガッカリですよ。
で、
「そうかよ。『俺のテリトリー』ってヤツを侵されても、あんたは見て見ぬふりをするわけだ」
「俺は俺でやるから」
と、捨て台詞を吐いて、事務所を出ました。
けど、ビルを出たところで、また安達ともうひとりの男に路地へと連れ込まれ、強引に何かの錠剤を含まされたんです。
しかも、ご丁寧に薬が溶けるまで、口元を塞いで。
何の錠剤なのかと不安になって安達を窺いましたが、返事は貰えず、そのまま解放された佑一でした。
その錠剤はすぐに効果を表し始め、全力疾走したわけでもないのに動悸がし、足は縺れ、瞳が潤んできたのか、視界まで霞んでぼやけてきたんです。
そして、とうとう交差点の真ん中で身動きが取れなくなってしまいました。
そんな佑一の前に現れたのは、義永を乗せた高級車でしたよ(ムフフ)
そして、車に引きずり込まれた佑一は、そこで始めて義永がいることに気づきました。
で、思わず
「なんで……義永」
って呼び捨てにしちゃうんですよ。
義永、軽くでしたけどゲンコし、
「誰が呼び捨てにしていいと言った」
って、怒ってました〜(苦笑)
思わず
『案外大人気ない』
って、思ってましたよ、佑一(苦笑)
しかし、今はそんな呑気なことを思っている場合ではないので、回らない頭で必死に考え、この状況を作ったのが義永本人だという考えに至り、彼の手から逃れようとするんです。
で、『AQUA』を売ってるのは義永か?と問うんですけど、それには『NO』という返事が返ってきました。
でもでも、身体の方は結構大変なことになっていて、ちょっと触れられるだけでも、声を上げてしまうほどだったんですよね。
結局、好き勝手身体を弄られてしまいましたよ。
弄られただけで、義永自身を……ってことはなかったですけど。
ただ、酷いのはここからですよ。
散々、弄っておいて、気が済んだら、公園にポイですもの(笑)
しかも、佑一自身の出したものもそのまま、服を調えられたもんだから、酷い有様でしたよ〜。
で、佑一、決意を新たにしましたよ。
『これくらいで臆して引っ込むと思っているのだとすれば、馬鹿にするなと怒鳴ってやりたい。ジャーナリストを目指したときから危険は覚悟している。』
だから、懲りてなどやるものかって。
それでも、身体のこととかも不安でしたし、さすがに義永に会うために新宿に出て行くまで、3日かかりました。
けど、この時、またまた会ってしまった安達に、義永の正体を知らされるんですよ。
叡和会の若頭補佐で、いくつも店を持っていることを。
一瞬動揺してしまう佑一でしたが、義永に会うという気持ちは変わりませんでした。
で、運良く彼と再会できた佑一は、『AQUA』の情報が欲しいと、直球勝負にでました。
「まだ懲りてないのか」
と呆れられはしましたが、
「こっちは必死なんだ。利用できるものは利用しないと」
という佑一に、思うところがあったみたいで、
「足がかりを作ってやるのは構わない」
という言葉を引き出しました。
でも、おかしなことに、その見返りとして義永が求めたのは
「おまえ自身の情報を引き換えというのはどうだ?」
というものだったんですよね。
義永の条件って、「俺のテリトリーで〜」なんて言ってたから、佑一が仕入れた『AQUA』の情報を義永にも教えろってことかと思ったんですよ。
けど、そうではなくて、本当に佑一個人の情報だったんです。
「おまえに興味が湧いた」
からと義永言ってましたけど、
「……なにそれ」
って言う佑一に同意してしまいましたよ(苦笑)
まぁ、そういう契約で、義永が佑一に作った足がかりは、『visita serale』(ヴィズィタ セラーレ)という会員制クラブ(踊る方のクラブ)での、ボーイの仕事でした。
けど、しっかり
「たとえ危険な目に遭ったとしても俺は助けない。それを承知なら、ボーイの口を紹介してやる。やめるならいまだぞ」
と、しっかり忠告されちゃいましたが……(苦笑)
そして、佑一は『visita serale』の客で、姉が『AQUA』の被害者だという医大生の都築俊哉(つづき としや)と出会い、ふたりで協力し合うことになりました。
都築と組んだ佑一は?
佑一は、『AQUA』でスクープを取れるのか?
佑一個人の情報を知りたがる義永の目的は?
〜ツボな脇キャラ〜
金城
叡和会の構成員で、役職とかまではわかりませんでしたが、義永と同等の地位にいるようです。
で、何故気になるかというと、恋人(?)が、義永の部下なんですよ。
そのせいか、やたらと義永に突っかかり(←嫉妬心)、ライバル心を持っているんですよね。
でもって、かなり暑苦しそうな人でした(←オイオイ)
そんな金城ですが、恋人(?)の和晶(かずあき)との馴れ初めが気になりました。
だってね、和晶は金城より、義永を優先するような人なんですよ。
なのに、何かというと義永に突っかかっていく金城を受け入れているのも気になるんですよね。
それに女王様受って、感じでしたし(笑)
だから、主役2人の続きも気になるところですが、金城と和晶のことも気になりました!!
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